バウハウス・デッサウのコレクションをオンラインで紹介する“Aus der Vitrine (digital)“がスタートしました。その第二弾は、オスカー・シュレンマーの作品です。
バウハウスの舞台工房を率いたオスカー・シュレンマーの創作の中心には常に「人間」がありました。舞台工房では、空間における人間のあり方の実験が繰り広げられました。1927年には予備課程で「人体デッサン」の授業を始めます。そして1928年にはそれとは別に「人間」という授業を開講します。シュレンマーは、人像をテーマにした絵画、版画作品も数多く手がけています。“Aus der Vitrine“で今回、紹介される《右を向いた分割された半身像》の解説に興味深いエビソードが書かれています。この作品は、1929年2月9日にデッサウ・バウハウスで開かれた伝説的な「金属の祭」の際に、福引きの景品として出され、幸運にも手にしたのがなんと織物工房のマイスター、グンタ・シュテルツルだったとのことです。
この映像にはシュレンマーの別の作品《脚を組んだ抽象的人像》(国立バウハウス・マイスター版画集)も紹介されています。この作品は、巡回展「きたれ、バウハウス」の第3章「工房教育と成果」の「版画工房」のコーナーでご覧になれます。シュレンマーが描いた人像の作品としては、新西欧版画集に収められている作品も展示されています。詳しくは、同展覧会図録の第3章の「版画工房」(p94, p96)をご覧ください。