2020年4月26日(日)~11月29日(日) [5月12日より開催]美術館再開にあたり来館者の皆様へのお願いがあります。ご来場の前にトップページの「お知らせ」をお読み下さい。
「生きられた場所/生きられる場所」という全体テーマを掲げる宇都宮美術館の今回のコレクション展(全5章で構成)では、第2章を、画家・三岸好太郎(1903-1934)に捧げています。
三岸はその早すぎる晩年、「蝶と貝殻」をモチーフとした特異な連作を遺しました。それらのイメージ群を集成した私家版アルバムといった趣の作品集が、《三岸好太郎筆彩素描集『蝶と貝殻』》(1934年)です。印刷された線描に手彩色が施された10点組の作品集を、本展では3期に分けて展示します。
三岸はその死の年、アトリエの設計に没頭していました。設計者に選ばれたのは、バウハウスへの留学から帰国して間もない山脇巖(1898-1987)でした。三岸アトリエは、山脇巖の代表的な建築のひとつで、日本独自の木造によるモダン建築の貴重な文化遺産として国の登録有形文化財に指定されています。
日本におけるシュルレアリスム受容の最良の成果を示したと評される一方、バウハウスにより確立されたモダニズム空間に傾倒した三岸好太郎。シュルレアリスムとバウハウスは、三岸のなかで、たんなる新しがり屋というレヴェルを超えて、どのようなつながり方をしていたのでしょうか。
三岸の作品集『蝶と貝殻』を中心に、同館所蔵のルチア・モホイによるバウハウス校舎の写真記録、ミース・ファン・デル・ローエ設計の鋼管椅子、そして三岸アトリエを撮影した写真なども交えながら、20世紀を席巻したふたつの動向に通底するものを、三岸好太郎という視座から探ります。
第2章に隣接する第4章「モダニズム 空間のオブセッション、浮力の美学」では、バウハウスのマイスターであったカンディンスキーの絵画(油彩)と「ケストナーマッペ 6 構成」からのモホイ=ナジの版画作品も展示されています。三岸のコーナーと合わせてお楽しみください。
展覧会名: コレクション展「生きられた場所/生きられる場所」 アトリエという「真空」― 三岸好太郎、蝶と貝殻とバウハウス
会場: 宇都宮美術館
〒320-0004 栃木県宇都宮市長岡町1077 tel:028-643-0100
会期: 2020年4月26日(日)~11月29日(日)
※5月12日より開催。会期中、展示替えあり。
前期:4月26日[日] ~ 7月12日[日]
中期:7月14日[火] ~ 9月13日[日]
後期:9月15日[火] ~ 11月29日[日]
開館時間: 午前9時30分~午後5時 入館は午後4時30分まで
休館日:月曜日、祝日の翌日(7月25日は開館)
入場料:一般:310円(250円) 大学生・高校生:210円(160円) 中学生・小学生:100円(80円)
※消費税込み。カッコ内は20人以上の団体料金。
主催: 宇都宮美術館
協力: 三岸アトリエ 東京都中野区上鷺宮2-2-16 西武新宿線 鷺ノ宮駅 徒歩8分
アトリエ見学は随時受付(予約制)。カフェは営業中。 ※アトリエM(撮影スタジオ)は臨時休業中
山脇巖[設計]《三岸好太郎アトリエ》1934年 画像提供:三岸アトリエ
画像: 三岸好太郎《雲の上の蛾》(筆彩素描集『蝶と貝殻』より) 1934年
宇都宮美術館蔵[後期展示]