2019年10月5日〜2020年1月5日
叙情的な美人画で知られる竹久夢二の展覧会「夢二の美人画 in 欧州」が石川県金沢市の金沢湯涌夢二館で開催されます。竹久夢二(1884-1934)は1933年にベルリンに滞在しました。その折、バウハウスのマイスターの一人、ヨハネス・イッテン(1888-1967)がベルリンに開校した私立学校、イッテン・シューレで日本画の実習・講義を5ヶ月間行なっています。
イッテンは、バウハウスの教育の基礎となった「予備課程」を構築したスイス生まれの画家・美術教育者で、路線対立により1923年にバウハウスを去った後、1926年に同校を開校し独自の造形教育を行いました。彼は、東洋思想や東洋美術にも深い関心を持っていました。
本展では、バウハウス開校100周年を記念して、夢二がベルリン滞在中に現地の女性をモデルにして描いた美人画の名品「水竹居」(竹久夢二美術館所蔵)などベルリンで活躍した頃を中心に滞欧10ヶ月の間に描かれた作品等が展示されます。夢二とイッテンの触れ合いを通して、水谷武彦、山脇巌、山脇道子、大野玉枝といったバウハウスで直接学んだ4人の日本人学生たちとは異なる、日本人とバウハウスとの交感の場が浮かび上がります。
1.展覧会名 特別展 「夢二の美人画 in 欧州 —イッテン・シューレの日本画講習とその前後 ―」
〔展示構成〕
①欧州への憧れと外遊の実現
②筆墨と着彩による夢二の美人画
③イッテン・シューレの日本画講演と実技指導
④欧州で過ごした10ヶ月間
〔展示作品〕
約50点の肉筆作品に加え、夢二のスクラップブックや夢二がドイツで手に入れたバウハウス関係の資料類も展示します。夢二がイッテン・シューレで日本画の実技指導を行った際に墨で静物を描いた作例《イッテン・シューレ絵手本》もご覧いただけます。
2.会期 2019年10月5日〜2020年1月5日
3.会場 金沢湯涌夢二館
4.主催 (公財)金沢文化振興財団 金沢湯涌夢二館
5.特別協力 竹久夢二美術館、竹久都子、竹久野生、坂原冨美代、中右瑛(順不同・敬称略)
6.協力 バウハウス100周年委員会
7.後 援 スイス大使館、ドイツ連邦共和国総領事館
8.観覧料 一般・大学生310円、団体(20名様以上)260円 65歳以上210円(祝日無料)、高校生以下無料
9.展覧会関連イベント
①講演会「欧州の夢二とその作品/東京・文京における夢二」
講 師:石川桂子氏(竹久夢二美術館学芸員) 日 時:11月3日(日・祝)14時~ 15時
申し込み:事前申し込み不要 参加費:当日の観覧料金のみ(祝日につき65歳以上無料)
②展示解説
当館の館長もしくは学芸員が展示の見どころを解説します。
日時:10月6日(日)、12月1日(日)、1月5日(日) 各回14時~(約40分)
開館時間:9時~17時30分(入館は17時まで)
観覧料金:一般・大学生310円、団体(20名様以上)260円
65歳以上210円(祝日無料)、高校生以下無料
石川県金沢市湯涌町イ144-1
TEL (076)235-1112 FAX(076)235-1115
https://www.kanazawa-museum.jp/yumeji/
画像: 竹久夢二《イッテン・シューレ絵手本》/昭和8(1933)年/(墨/紙) 金沢湯涌夢二館 所蔵
画像提供:金沢湯涌夢二館