2020年10月10日〜12月20日

写真家、石元泰博(1921-2012)は、1948年、アメリカに渡ったモホイ=ナジにより1937年にシカゴに設立された「ニュー・バウハウス」にルーツを持つ「インスティテュート・オブ・デザイン」(通称ニュー・バウハウス)に入学し、モホイ=ナジ賞を二度受賞するなど優秀な成績で卒業しました。卒業直後から写真家として頭角を現し、透徹した眼で対象の構造的、空間的特性を捉えた作品によって、写真界はもとより、広く建築、デザイン、美術にわたる戦後日本の芸術界に大きな足跡を残しました。

バウハウスの造形感覚にも通じる構成的な視点から日本の伝統建築を撮影した桂離宮シリーズ、丹下健三、磯崎新、内藤廣ら同時代の建築家の作品を撮った作品、そしてライフワークとなったシカゴと東京の人と街を捉えた作品など、その成果は内外で高く評価されています。対象の本質と写真の可能性へのあくなき探究心、そして緻密な暗室作業による厳格なプリントの美学は、デジタルが一般化した今日において一層の輝きを放っています。

本展は、20021年の石元生誕100年を祝して、東京オペラシティ アートギャラリー、東京都写真美術館、高知県立美術館の三館が共同して実施する、石元の足跡を過去最大規模で回顧する展覧会シリーズの一環です。東京オペラシティアートギャラリーの展示では、「伝統と近代」を切り口として、作家活動の前半に軸足を置きつつ、多様な被写体を貫く石元の眼差しに注目します。ニュー・バウハウス在学中の作品から、シカゴシリーズ、東京シリーズ、そして桂離宮から曼荼羅、伊勢神宮まで、さらに従来あまり紹介されてこなかった作品も加え、美的ななかにも記録や批判の契機をふくんだ石元泰博の新しい作家像を浮かび上がらせます。

▼石元泰博 《ペーパー・ストラクチャー》1952年  高知県立美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター

 

▼《桂離宮 中門の乗越石》1953, 54年  高知県立美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター

 

展覧会の詳細についてはこちらをご覧ください。

[共同開催展スケジュール]

東京都写真美術館 2020 年 9 月 29 日(火)-11 月 23 日(月・祝)

東京オペラシティ アートギャラリー 2020 年 10 月 10 日(土)-12 月 20 日(日)

高知県立美術館   2021年 1月16日(土)- 3月14日(日)

▼展覧会概要

展覧会名     生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代

会     期           2020 年 10 月 10 日(土)-12 月 20 日(日)

場 所  東京オペラシティ アートギャラリー

〒163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2

開館時間    11:00-19:00(入場は18:30まで)

休館日  月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

観覧料 一般1200[1000]円/大・高生800[600]円/中学生以下無料

※観覧料について

  • 同時開催「project N 80 守山友一朗」の入場料を含みます。
  • [ ]内は各種割引料金。ただし団体受付・団体割引の実施は当面の間休止いたします。
  • 障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
  • 割引の併用および払い戻しはできません。

お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

◎新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ご来館は日時指定の予約制となっております。

【お知らせ】11月4日[水]から、来館予約が不要となります。

・受付で入場券をご購入ください。
・混雑の際は、お待ちいただく場合があります。
・確実にご入館を希望される場合は、日時指定の来館予約をおすすめします。予約方法はこちら

主催 公益財団法人 東京オペラシティ文化財団、読売新聞社、美術館連絡協議会

特別協賛:ジャパンリアルエステイト投資法人
協   賛:ライオン、大日本印刷、損保ジャパン
協   力:相互物産株式会社
共同企画:高知県立美術館、東京都写真美術館

トップ画像:  石元泰博 《シカゴ 雪と車》1948-52年 高知県立美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター