バウハウス開校100年を記念して「バウハウスとは何か」について解明する基本書が出版されました。バウハウスは革命的な造形学校で20世紀モダニズムの金字塔として今も燦然と輝いていますが、その存在は巨大で多面的なのでどこから実像に迫るべきか戸惑うことがあっても不思議ではありません。その道を指し示す海図となるバウハウスの入門書が久しく待たれていました。学校としてのバウハウスの本質を踏まえながら、そこに関わった重要な人々とそこから生まれたさまざまな作品の由来と背景について丹念に分かりやすい言葉で解説されています。
「神は細部に宿る」という言葉があります。諸説ありますがバウハウス三代目校長のミース・ファン・デル・ローエの言葉としてもしばしば引用されるものです。バウハウスの人々と作品の細部に対して貫かれた著者の真摯な眼差しにより、その実像がより鮮明に浮かび上がってきます。“オモテから読む基礎知識編“、“ウラから読む名作紹介編“という本書の編集デザインはバウハウスの実験精神にも通じます。この本が日本に生まれたことを天国にいるバウハウスの人々も喜んでいるはずです。
目次
▼概要
書名: もっと知りたいバウハウス
著者: 杣田佳穂
判型: B5
頁数: 96頁
発行: 東京美術
刊行: 2020年4月
定価: 2,000円+税
※詳しくは東京美術のホームページでご覧ください。