「デッサウ市の案内パンフレット・表紙」
ヨースト・シュミット 1928年
正方形の判型に円弧と直線を使った交通地図。デッサウという街の位置関係をシンプル、かつ効果的に表現しています。チューリンゲン州議会で契約を切られたバウハウスをデッサウ市長が招聘したため、バウハウスがヴァイマールからデッサウに移ってきたのは1925年10月。翌年末にはグロピウス設計の校舎も完成し、バウハウスは、デッサウ市を象徴する学校となりました。
市からの依頼でデザインしたこの観光案内のパンフレットは2代目で、ヘルベルト・バイヤーがデザインした際のモノトーンに朱赤を効かせたシンプルな色づかいを踏襲し、ヨースト・シュミットは判型をA4から正方形に変えることで円の効果をより高めています。デッサウから最初の円(ライプツィヒやマグデブルク)までは鉄道で1時間、外側の円、つまりベルリンまでは2時間の距離。飛行機なら45分。表紙の絵柄であると同時に、立派に地図としての情報も備えているのです。